TRACKTION 使い方ガイド

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Tracktionのインストールと起動

最新の Tracktion インストーラプログラムを(www.rawmaterialsoftware.com/downloadsから)ダウンロードして実行すると、 デスクトップと、スタートメニューのプログラムメニューにショートカットが作成されます(※日本語環境ではプログラムメニューへのショートカットの作成に失敗することがあるようです)。 そこから起動すると、大きな灰色のウインドウが開き、幾つかの起動処理が行われます。

3つのスクリーンはそれぞれ何をするのか?

Tracktion は3つのメインスクリーン − プロジェクト(projects) スクリーンエディット(edit) スクリーン、 そして セッティング(settings) スクリーンで構成されています; 各ページを切り替えるには、画面上部のタグをクリックするだけです。 起動したとき、最初にプロジェクトスクリーンが表示されます (その時、あなたがエディットを開くまではエディットスクリーンは表示されません)。 それぞれのスクリーンの詳しい説明は後述します。

Tracktionを使うときに覚えておかなければならない最も重要なことは、 興味を持ったものをクリックして選択すると、プロパティパネル(画面下部にある)に それのプロパティが表示されるということです − そして、そこで編集することができます。 これは何を選択してもそうです − オーディオデバイスへのフィルター全て、 そして選択されたオブジェクトはほとんどが赤く強調表示されます (または赤い下線が表示されたり、他の色になるものもあります)。

ポップアップ・ヘルプとロールオーバー・ツールチップの使い方

画面にあるほとんどのオブジェクト上でマウスカーソルを動かすと、 画面上部の右側に一行に要約されたツールチップが表示されますので、 何をするときでも簡単な説明が表示されとても便利です。

特定のアイテムについてより詳しいヘルプを知りたければ、 画面一杯に大きなポップアップヘルプ(初期値ではオンになっています) ウインドウが開き、マウスを置いているアイテムのより詳しい説明を表示します。 学習するには便利ですが、使っていて邪魔なときは (画面の左下の)'help' ボタンのメニューオプションで表示しないように することもできます。 このメニューには 'compromise(妥協/譲歩?)'オプションもあり、数秒間マウスを 置いたときだけポップアップメニューを表示するようにすることも出来ます。 (訳者注:実際のメニュー名は'use longer delay before popup help appears(ポップアップヘルプが出す前に長い間をとる)' オプションのことと思われます)

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プロジェクト(Projects)とアーカイブ(archives)

プロジェクト(project)とは?

Tracktion のプロジェクトとは、オーディオファイルとエディットの集まりです。

ユーザーインターフェースで言えば、 プロジェクトスクリーンの画面上部左側のツリービューにプロジェクトが一覧表示されます。 プロジェクトをクリックすると選択され、プロジェクトに含まれるものが右側のメインリストに 表示されます。

新しいプロジェクトを作るには?

プロジェクトツリーを表示しているフォルダー上で右クリックをすると、 'create new project(新しいプロジェクトを作る)'メニューが表示されます。

それから、新しいプロジェクトのファイル名の入力を求められます。(訳注:日本語は使えません) なるべく(強制的ではありませんが)プロジェクトはそれぞれ別のフォルダに作ると良いでしょう。 そうすることにより、関連するファイルが他のプロジェクトと混在せずにすみます。

既存のプロジェクトを開くには?

それには幾つかの方法があります:

プロジェクトを選択すると、すぐにそのプロジェクトに含まれるアイテムが 一覧表示され、それぞれが選択可能です。 アイテムはドラッグして上や下に並び順を移動することもでき、 列の見出しをクリックするとそれぞれの列の内容によって並び替えることも出来ます。

オーディオファイルの再生とエディットの開きかたは?

プロジェクトをクリックすると選択され、画面のメインエリアに内容がリスト表示されます。 リストのアイテムはクリックで選択され、それらのプロパティが編集できます。 タイプが異なるアイテムは色分けされ、リストの'type'列にそのアイテムのタイプが表示されます。

クリックしたアイテムがオーディオクリップなら波形を縮小表示し、 その波形表示欄の右にある'play(再生)'ボタンを押すと再生できます。 選択したWAVEファイルを再生する別の方法は、リストの行をダブルクリックするか、 スペースキーや(訳注:スペースは使えないかも)Enterキーを押す、 あるいは縮小表示された波形上でマウスをクリックする (訳注:クリックしたところから再生します)、などです。

WAVEファイルやオーディオCDトラックをプロジェクトに追加するには?

既存のWAVEファイルをプロジェクトにインポート(追加)するには、 最初にプロジェクトをクリックして選択します。 そしてプロジェクトのプロパティにある、'import material(部品の読み込み)' ボタンで インポートするファイルを探す方法がいくつか用意されています。

他のディスクからWAVEファイルをインポートするときには、ファイルのコピーは作られないことを覚えておいて下さい。 プロジェクトはただそのファイルの場所を記録するだけで、もし後で移動したり、名前を変えたり、削除したりすると、 'file missing(ファイルが無い)'と表示されます。 CDトラックをインポートした場合には、プロジェクトと同じフォルダに新しいファイルが作成されます。

もしリムーバブルディスクからファイルをインポートする時は、 自動的にそのファイルのコピーをローカルに作成するべきなのか、確認を求められます。

プロジェクトに新しいエディットを追加するには?

最初にエディットを追加したいプロジェクトをプロジェクトリスト上でクリックして選択します。 そして、プロジェクトのプロパティパネルに表示された'create new edit(新しいエディットの作成)'ボタンをクリックするだけです。 すぐに新しいエディットが表示され、それを選択したり、名前や備考、その他を変更できます。

プロジェクトからアイテムを削除するには?

削除したいものを選択し、Deleteキーを押します(あるいは 'delete item'ボタンをクリック)。 それがエディットなら、(拡張子) .trkedit ファイルがリストから削除されます。 オーディオファイルの場合は、ただプロジェクトリストから(ファイルを残して)削除するだけなのか、 更にファイル自体も削除するのか選択できます。

リスト上でアイテムを選択するときは、Shift キーや ctrl キーを押しながらクリックすることで、 複数のアイテムを同時に選択することができます。

プロジェクトには何が含まれているのか?

技術的には、プロジェクトはエディットとオーディオファイルへのリンクの集まりです。 プロジェクトファイル自身( 拡張子は .tracktion のファイル)とても小さなファイルで、 他に存在するファイル、例えば、 .wav(WAVEファイル)や .trkedit(エディット)などの 名前や定義などを保存しているだけです。 (通常プロジェクトファイルと同じフォルダにありますが、必ずしもそうとは限りません。)

ディスクからWAVEファイルを削除しても、なぜプロジェクトで非表示にならないのか?

プロジェクトはエディットとオーディオファイルのある場所の情報だけを保存しているので、 参照しているファイルを削除されてもプロジェクト中のエントリは影響を受けません。 それらのファイルに何かの操作をされると、'file missing(ファイルが見つからない)'と表示します。 逆に、プロジェクトからアイテムを削除しても、参照先のファイルが必ずしも削除されるわけではありません。 (Tracktion は通常そのファイルをどうするのか選択を求めます。)

あるプロジェクトに他のプロジェクトのアイテムを利用するとどうなるのか?

他のプロジェクトに含まれるアイテムをエディットに追加しても全然かまいませんが、 Tracktion は参照先がどこか探すため、双方のプロジェクトが現在開かれていなければなりません。 (つまり、それらがプロジェクト・ツリービューに表示されていなければなりません。)

ライブラリ(library) プロジェクトとは?

プロジェクト・ツリービューの 'libraries(ライブラリ)' フォルダに表示されたプロジェクトは 普通の'acitive project(よく使うプロジェクト)'と同様に操作できますが、 複数のプロジェクトでアイテム(部品)を共有するためのプロジェクトを置く場所として利用されます。 よって、ライブラリリストにあるプロジェクトからアイテムをエクスポートするときには、少し異なるルールがあります。

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アーカイブ(Archives)

Tracktion アーカイブ(Archive)とは?

Tracktion アーカイブファイル(拡張子 .trkarch ファイル)は、 正確に再生するために必要なアイテムと一緒にプロジェクトやエディット全体が一つにまとまった圧縮ファイルです。

アーカイブは可逆圧縮(つまり音質に一切の劣化が無い - FLAC圧縮を使う方法で、 完全なバックアップを作成する代わりにサイズは大きい)を使う方法と、 Ogg-Voribis圧縮を使った非可逆圧縮(やりとりがしやすいようにとても小さなファイルを作成するが、少し音質が劣化する方法) を使う方法があります。

エディットのアーカイブを作るときには、オーディオファイルについてエディットで現在使っている部分のみを含めるオプションもあります。 この場合、もし3分間のオーディオファイルのうち、1秒間のみを使っていれば、アーカイブには1秒間のぶんだけが含まれます。

Tracktion アーカイブファイル(拡張子 .trkarch)を開くには?

普通にプロジェクトファイルを開くように、 アーカイブファイル(.trkarch)をダブルクリックするか、 Tracktionウインドウにドラッグ&ドロップするか、 'load archve'メニューを使ってファイル指定する方法があります。

アーカイブファイルを解凍するフォルダを尋ねられる筈です。 そしてアーカイブから指定したフォルダへ圧縮されていた元のプロジェクトの関連ファイルのコピーが解凍され、 プロジェクトが開けば、他のプロジェクトと同様に使えるようになります。

プロジェクト全体のアーカイブを作るには?

プロジェクトを選択すると、プロパティパネルに 'export project(プロジェクトのエクスポート)'ボタンが表示されます。 それをクリックして、プロジェクトに含まれるアイテムのコピーをすべて含んだ、非圧縮、 あるいは様々な圧縮率に圧縮されたアーカイブを作ることができます。

エクスポートダイアログには、 ファイルをアーカイブファイルにまとめて入れずに 他のフォルダにコピーするためのオプションもあります。 − これにより簡単なバックアップや、プロジェクトのスナップショット(コピー)を作ることもできます。

あるエディットだけのアーカイブを作るには?

プロジェクト全体をエクスポートするときと同様に、 一つのエディットのみをエクスポートすることも可能です。 (プロジェクトスクリーンからエディットを選択して 'export edit(エディットのエクスポート)' をクリックするか、 エディットを開いて 'export(エクスポート)' をクリックするかのどちらかで出来ます。)

プロジェクトのエクスポートと違い、 コピーされたすべてのファイルは、オーディオファイルについては現在エディットで使われている部分のみをコピーする オプションが有効になります。 このオプションでは、余分なオーディオから必要な分を除いて抜粋されるため、 この方法で作成されたアーカイブを開くと、きれいに整理されたものになります。

エディットとプロジェクトのエクスポートに関しての他の違いは、 プロジェクトからの場合、そのプロジェクトだけで使われているファイルのみがコピーされますが、 エディットからの場合、複数のプロジェクトから参照されているファイルもコピーが作られます。

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編集(Editing)

新しいエディットの作り方と開き方は?

空のエディットを作るには、プロジェクトリストから作りたいプロジェクトを選択し、 プロパティパネルから 'create new edit(新規エディットの作成)' ボタンをクリックします。 新しいエディットは選択したり名前を変更できるようになるので、 摘要を記述したり、エディットファイルの名前を変更したりします。 初期状態では、エディットはプロジェクトと同じフォルダに 拡張子 .trkedit のファイルとして作成されます。

エディットを開いたり編集するには、 プロジェクトリストのエディットのある行をダブルクリックする方法か、 クリックして選択してから Enterキーを押す方法があります (あるいはプロパティパネルの 'open for editing'ボタンをクリックします)。

エディットのポジション移動や再生をするには?

エディット上の現在のポジションは垂直の紫の線で表示されます。 − これは、プレイボタンを押すとそこから再生されることを表しており、 再生すると現在位置を表すカーソル(線)も移動します。 このカーソルを移動させるには沢山の方法があります:

マウスでカーソルをドラッグするか、右/左矢印キーを使うとき、 Shiftキーを押しながら操作するとカーソル位置はそのままで 後ろの背景部分のみが移動します。(訳注:この機能は使えないかも・・)

再生をスタート/ストップするには、トランスポートボタン(画面の右下)を使うか、 スペースキーを押します(これはキーボードマップ・オプションで他のキーに変更もできます)。

画面上部のタイムバー(timebar)上をクリック&ドラッグでも移動できますが、 少し違う方法があります − カーソルの近くでないところをドラッグすると現在位置カーソルを動かさずに 画面をスクロールできますが、 カーソル自身をドラッグすると現在位置が移動します。

ズームイン(拡大)/ズームアウト(縮小)の方法は?

これにはいくつかの方法があります:

エディット全体をピッタリ表示できるようにズームする(初期設定で F5キー)、 カーソルキーの近くの数秒をズームインする(F6)、などの幾つかのショートカットキーがあります。 他にすべてのトラックを画面全体に縦方向にピッタリにズームするショートカット(F8)や、 普通のサイズに戻す(F9)などもあります。 keyboard shortcut ダイアログを一通りチェックしてみてください (画面左下部の'keys'ボタンをクリックしてください−※訳注:このボタンは無いような・・)。

トラックのサイズを変更するには?

それぞれのトラックにはマウスでドラッグして縦方向のサイズを伸縮できる薄い場所があります。 左ボタンでドラッグすると一つのトラックにのみ作用し、右ボタンでドラッグするとすべてのトラックに作用します。 トラックの高さを変更する他の方法は:

トラックが画面ぴったりでないときは、右側のスクロールバーを使うか、 マウスのホイール(マウスがメインエディットエリアの右か左に外れているとき)で スクロールアップ/ダウンできます。

エディットの重要なポイントにマーカーを設定するには?

エディットには9つまでポインタを設定することで、 後で素早くジャンプしたりできます。 カーソルポジションにマーカーを挿入するには、Ctrlキーと数字キーを押します。 マーカーにジャンプしたいときは、ジャンプしたい番号の数字を押すだけです。

マーカーを消すには、Ctrlキーを押しながら数字キーを二回押すだけです。

マスターボリュームの調整をするには?

エディットスクリーンの右下にあるマスターボリューム・コントロールで、 左右それぞれのの出力を調整できます。 左右同時に動かすには、中央をマウスでクリックしてドラッグし、 右か左のどちらかだけを変更するには、右側か左側をドラッグします。

エディットにWAVEファイルを貼り付けるには?

次のようにいくつかの方法があります:

エディットに新しくレコーディングするには?

画面の左手の端の下に、システム上で利用可能なそれぞれの 'input devices(入力デバイス=入力装置)' に対応するドラッグ可能なアイコンが表示されています。

これらはトラックにドラッグすることにより、トラックと'接続可能'で、 トラックに接続されるとアイコンからトラックへの矢印が表示されます。 アイコンを左にドラッグすると矢印が消え、デバイスは入力できなくなります。

録音ボタンが押されると(もしくは初期値で'R'のショートカットキーで) 接続された入力デバイスからトラックに録音されます。 入力デバイスがMIDIデバイスであれば MIDIクリップとして、 オーディオ入力であればオーディオクリップとして録音されます。 録音フォーマットなどについては、入力デバイスのプロパティに更にオプションがあります。

ヒント − 現在の入力内容をエディットに追加せず、 作成されたファイルを消去して中断するショートカットキー(初期値:Ctrl + R )もあります。

パンチインと録音前のプリカウントについても参照してください。

クイックスタートガイドにもより詳しい情報が出ていますので、参照してください。

クリップを移動させるには?

エディットでは、クリップをクリックするだけで選択できます。 選択されたクリップは枠が赤く表示され、プロパティパネルに そのクリップのプロパティが表示されます。

選択すると、クリップの上部にバーが表示され、 そのバーを使って移動したり長さを変更したりできるのです。

クリックをトラック間、あるいは右や左に移動させるには、 このバー(ボタンのないところ)をドラッグします。 スタート位置を変更せずにトラックを上や下に移動させたければ、 Shiftキーを押しながらドラッグします。

クリップの端を切り詰めるには、 バー上のそれぞれのボタンに異なる効果があり、 開始部分か終了部分のみ、或いはその両方を移動させるのか、 そしてエディットの内容を保持したまま切り詰めるのか、切り詰めながら内容を移動させるのか、 などが異なります。 これらの機能について、より判りやすいのは、マウスをそれらのボタン上に置いた時に表示される Tracktion のポップアップヘルプを使うか、 クイックスタートガイドを見ることです。

その他にも、クリップを変更したり移動させるには、沢山の方法があります。 これらの多くは、まずクリップを選択することから始まり、 それからプロパティパネルの右側の'move clip(クリップの移動)'、'split clips(クリップの分割)', 'delete regien(領域の削除)' 等のボタンをクリックして表示されたポップアップメニューの見出しに書かれたような処理を行います。

複数のクリップを選択するには?

個々のクリップやトラックだけを聞くには?

トラックは、トラックの右側にある 'S' と 'M' ボタンでソロ('S'-Solo)やミュート('M'-Mute)に設定できます。 トラックが再生されていないとき、ミュート/ソロボタンは赤いバツ(×)印になります。

補足 − ソロボタンをクリックするときに Ctrlキーを押しておくと、 既にソロにしたトラックのソロは解除されずに他のトラックをソロ再生に追加できます − これで、いくつかのトラックだけを選択して再生することができます。

ミュート/ソロを右クリックすると、メニューから他のオプションも選択できます。

フィルターを通さない状態でひとつのクリップをプレビュー再生するには、 クリップをダブルクリックするとマウスの位置から再生されます。 プレビュー再生している間、クリック&ドラッグで他の部分も聞けます。

エディットのパーツをコピー/貼り付けするには?

クリップを選択しているとき、そのクリップをクリップボードにコピー(Ctrl+C)し、 他の場所に貼り付けることができます。

エディットに貼り付けるとき、現在のカーソルポジションに新しいクリップが貼り付けられます。 もし貼り付けるときに一つのトラックが選択されていれば、クリップはそのトラックに貼り付けられますが、 そうでない場合、マウスでクリックされた最後のトラックに貼り付けられます。

トラックの途中に挿入して貼り付け、既にある素材を後方に移動させるには、 まず操作をしたいトラックを選択し、プロパティパネルの 'insert into tracks(トラックに挿入)' をクリックします。

イン/アウト マーカーとは? どうやって移動するのか?

垂直の赤い線が、イン/アウトマーカーで、オペレーションを実行する範囲を決めるためのものなので、 あちらこちらに移動させて使います。

移動させるには、次のどちらかの方法になります

ループ再生がオンになっていると(画面右下の'loop'ボタンを使って)、 マークに挟まれた範囲がループ(繰り返し)再生されます。

エディットのマークされた範囲を削除されるには、 クリップかトラックを選択し、プロパティパネルの'delete region(範囲を削除)'ボタンを使い 削除方法を選択します。

マークされた領域は、空白を追加する量も表します − トラックを選択して 'insert into track'ボタンをクリックします。

どうやってパンチイン録音をするのか、また、録音を開始する前にカウントを入れるには?

'punch'ボタン(画面右下、トランスポートコントロールのすぐ下です)を押すと、 イン/アウトマーカーはパンチイン/アウトの範囲に使用されます。 もしカーソルがイン・マーカーよりも前にある状態で録音を開始すると、 マーカーのところまで再生し、マーカー部分から録音を開始します。 そしてアウト・マーカー位置まで録音を続け、マーカー位置で自動的に録音を停止します。

そのとき、'click-track'ボタンメニューで、 プリカウント(pre-count)オプションを指定できます。 このオプションは、録音を開始する前に事前に何小節分、カウントを入れてから 録音を開始するかを指定します。 これをオプションを使うと、録音を開始するときにカーソルが指定した小節数分、前に移動してから 再生を始め、元のカーソル位置に来ると実際に録音を開始します。

 

トラックにフィルターを追加するには?

エディットの右のフィルターを表示するエリアの上に、 'new filter' ツールがあり、それはマウスでドラッグすることができます。 トラックに新しいフィルターを追加するには、 これをフィルターを追加したい場所までドラッグして (フィルターが追加される場所は赤く光ります)、ドロップします。

すると追加するフィルターを選択するためのポップアップメニューが表示されます。 最初にTracktion付属のいくらかのプラグインが表示され、 次にプラグイン・ディレクトリ の中のサブディレクトリの構成に応じてサブメニューが表示されます。

フィルターを移動したりコピーするには?

フィルターが追加されると、すぐにクリックで選択し、プロパティを変更することができるようになります。 フィルターをドラッグして移動すると、クリップボードへコピーされ、 貼り付け、そして削除されます。 素早く複数のフィルターを選択するには、Ctrlキーを押したままマウスでクリックします。 (※訳注:Ctrlキーを押したままドラッグすると、フィルターの設定がコピーされます)

それぞれのトラックの出力の設定はどうするのか?

エディットのそれぞれのトラックは、利用可能な 出力デバイス(output devices)に送られます。 そのとき、トラックにMIDIクリップがあれば、MIDI出力装置に送信され、 そのトラックにオーディオクリップがあれば、オーディオ出力装置に送られます。

トラックが選択されているとき、プロパティパネルには出力可能なデバイスとトラックのリストが 表示され、現在の出力先にはチェック記号が表示されます。 トラックの出力先はアウトプットフィルター上にも表示されます (ただし、すべてのトラックについて画面上に表示する場所があるわけではない)。

また、トラックの出力先を他のトラックにすることも出来ます。 このことは、複数のトラックを別のトラックに出力することにより、 全体に対して共通のエフェクトフィルターが利用できるということを意味します (更にそのトラックをまた別のトラックに出力することもできます)。

もし、割り当てた出力先で再生できないタイプのデータがトラックにあるときは、 トラック名のところに警告マークが表示され、そのマークの上へマウスポインターを移動すると、 その警告の内容が表示されます。

MIDIクリップを編集するには?

MIDIクリップは、トラックの高さがMIDIエディターを表示するのに十分な高さになるまでは 編集可能な状態になっていません。 トラックの高さの変える色々な方法は上記 を見れば判りますが、 MIDIクリップをダブルクリックすればすぐに高さが高くなります。

MIDIクリップが十分に大きく、マウスをその上で動かしたとき、 MIDI編集ツールとオプションの指定ができる特別なツールバーが出てきます。 このツールバーのピアノ鍵盤は以下のように使います:

3つのMIDIツールが使用可能で、ツールバーのボタンで切り替えることができます。 そのツールは:

MIDIエディタは、MIDIノート ON/OFF イベントを表示するノート編集 モード (デフォルト)と、 特定のMIDIコントローラーの状態を表示するコントローラー編集モードがあります。 これらのモードじゃポップアウトツールバーのボタンで切り替えます。 ツールは、それぞれのモードで少し異なる効果があります − それらの正確なより詳しい説明については、 それぞれのツールボタン上で表示されるポップアップ・ヘルプで確認してください。

コントローラ編集モードの特別なケースはベロシティモードで、 ノートのベロシティをまるでコントローラーイベントのように編集することが出来ます。 ノートのベロシティをまとめて簡単に編集するために、 いくつかのノートを選択した状態でベロシティモードに入ると選択されたノートのベロシティだけが変更できます。 ベロシティモードに切り替えたときに選択されたノートがなければ、すべてのノートのベロシティが表示されます。

また、sysex(システムエクスクルージブ)編集モードもあり、 MIDI sysexエベントが点で表示され、移動することが出来ます。 それぞれのイベントは選択して、それらの(機種に依存する)内容を変更できます。

トラックにまとめてひとつのフィルターをかけるには?

もし、ミックス全体にフィルターを使いたければ、 マスターボリュームコントロール上にあるマスターフィルター チェインに フィルターをドロップするだけです。

もし複数のトラックの出力にまとめてフィルターを掛けたければ、 単にそれらのトラックの出力を他のトラックにリダイレクトして、 出力先のトラックにフィルターを追加すれば良いだけです。 勿論、そのトラック自身も他のトラックにリダイレクトすることができます。

エディットに空っぽのMIDIクリップを作りたいが − どうすれば作れるの?

クリップを追加したいトラックを選択し、トラックのプロパティの所に 'insert a new clip(新しいクリップの追加)'ボタンがあります。 このボタンで新しいMIDI(あるいはオーディオ)クリップをカーソル位置に追加でき、 それから、好きなサイズに変更できます。

MIDIチャンネルとプログラム・ナンバーを扱うには?

すべてのMIDIメッセージは1から16までのMIDIチャンネルナンバーを含みます。 Tracktion では、チャンネルナンバーはMIDIクリップに割り当てられ、 クリップを再生するとき、チャンネルナンバーは内部的にそれぞれのイベントに付加されます。 MIDIクリップのチャンネルナンバーを変更するには、クリップを選択してプロパティパネルから ナンバーを変更するだけです。

MIDI入力デバイスから録音するとき、 デバイスとチャンネルプロパティを変更すると、 新しく録音され作成されたクリップに手動で設定したチャンネルナンバーが与えられます。 もしこのナンバーを'any'にセットすると、 受信したMIDIメッセージのチャンネルナンバーを使用します。

MIDIプログラムナンバーは使われる音の種類を指定するMIDIメッセージです。 プログラムナンバーは、他のMIDIコントローラと同じように編集でき、 設定によりショートカットも利用できます:

MIDIクリップを再生するにはどんな種類の装置が使えるの?

もしMIDIクリップを外部MIDIデバイス(あるいは内蔵のMIDIシンセ装置)を使って再生したければ、 MIDIクリップを含むトラックの出力先としてその装置を指定できます。

より強力なアプローチはMIDIノートをオーディオデータにしてしまうソフトシンセ・プラグイン を使用することです。 もし、MIDIクリップを含むトラックの最初のフィルターにソフトシンセが置かれていれば、 出力の時に他のオーディオエフェクト・フィルターを掛けることができます。 これはハードウェアMIDI装置では不可能なことです。 ソフトシンセを使うということは、 シンセの設定がエディットに保存され、次回再生するときにまったく同じに再生することができる、 ということも意味します。

キーボードからMIDIデバイスの'ライブ'プレイ(生演奏)をするには?

キーボードを挿すMIDI入力デバイスを探し、そのデバイスをトラックに接続します (つまり、ドラッグしてその装置の矢印をトラックに繋ぎます)。 それから確実にこのトラックの出力を鳴らしたいMIDIデバイスかソフトシンセに指定します。

もし、エディットが e-to-e (end-to-end) モードになっていれば、 入力されたMIDIイベントはすべてトラックに転送され、再生されます。 e-to-e モードの切り替えには画面右下のトランスポートコントロールの近くにあります。

もしソフトシンセを使っていれば、 確実に再生できる程度までなるべく再生レイテンシを下げるとキーを押したときの反応が素早くなります。

他にMIDI録音をするときに使えるワザはないのか?

MIDI録音をするときには、ループ録音モードを使うことが出来ます。 これを使うには、ループさせたい範囲にイン/アウトマーカーを設置し、 'loop' オプション(画面右下)をオンにして、MIDI入力デバイスをトラックに繋いで 録音ボタンを押します。
ループモードでは、MIDI入力が同じ新しいクリップに重ねて記録され、 それによって例えば、異なるドラム音源を演奏して複雑なドラムループを作成することが出来ます。 録音を停止した後、Undoを行うと1回分のループ範囲がUndoされるので、 録音された内容全部を破棄して無駄にすることなく、間違いを修正できます。

MIDI入力デバイスにもオプションがあります − 'merge into existing clips(既存のクリップに併合)' − これは存在するMIDIクリップ上にMIDI録音をすると二つのクリップの内容が 一緒になって一つの大きなクリップになることを意味します。

どのようにしてタイムコードタイプと拍子を変更するのか?

エディットでは時間を小節/拍数か分/秒に表示を変更できます。 エディット画面上のタイムコードボタンをクリックするとメニューがでるので、表示されたタイプを選択するだけです。

このメニューはテンポダイアログボックスも表示し、 これは分/秒モードでは無関係ですが、小節/拍数モードでは、 拍子数とテンポを変更できます。 テンポを調整するときは、 エディット中のクリップの長さを新しいテンポに合わせて自動的に変更するか、 あるいは、すべてそのままにしておき、タイムコードだけを変更するかを選択することができます。

クリップやその他のアイテムを移動したとき、 それらのスタート位置はオプションで近くの区切り位置ちょうどにピッタリ合わせる(スナップさせる)ことができます。 スナッピングは、(画面右下の)トランスポートコントロール上のボタンでオン/オフできます。 スナップさせる間隔は、タイムコードタイプと現在のズームレベルにより決定します。 つまり、もしズームアウトしたときは小節毎にスナップされるかもしれませんが、 ズームインすれば、1/32拍置きにスナップされるかもしれないということです。

既にあるWAVEファイルにテンポをあわせるには? How can I set the tempo to match a wave file that I already have?

もし、正確にループされたWAVEファイルがあれば、 それを選択してクリップのプロパティにある'auto-tempo(オート・テンポ)'ボタンをクリックしてください。 そしてクリップの長さを基準にしたテンポと、拍子を選択してください (それから、マークされた領域をクリップの長さの代わりに使うこともできます)。

どのようにしてプレイする際の基準にするクリック・トラックを作るのでしょうか?

(画面右下のトランスポートコントロールにある)'click(クリック)'ボタンをクリックすると、 クリック・トラックへ切り替えることができます。 クリックトラックの詳細オプションを指定するには、 画面左下の'click track'ボタンをクリックしてください。

クリップ間にクロスフェードはどうするのですか?

すべてのクリップは両端の小さなアイコンをドラッグして移動することでフェードイン/フェードアウトを 行うことができます。 その形(訳注:フェードする際の曲線)はクリップのプロパティで変更することができます。

もし同じトラック上に重なった二つのクリップがあり、 重なった領域にクロスフェードを作成したければ、 まずは一つのクリップを選択し、クリップの'auto-crossfade(自動クロスフェード)'ボタンをクリックするだけです。

オーディオクリックをループさせるには?

同じクリップのコピーを複数回貼り付ける代わりに、 オーディオクリップを選択して 'loop this clip(このクリップを繰り返す)'ボタンを押してください。 クリップがループしているとき、 好きな長さにトリミングでき、 その内容は隙間を埋めるようにループされます。

内部ループの長さをトリミングするには、 クリップを選択して垂直の白線を左右にドラッグするとループの長さが変わります。 長さを変えずにループ位置をずらすには、 この線を Ctrlキーを押したままドラッグします。

オーディオクリップのタイムストレッチやピッチシフトはどうやるのか?

クリップを選択したとき、'speed'設定で再生速度を変更することができます。 このとき 'keep original pitch(元の音程をキープ)'ボタンと組み合わせればタイムストレッチもできます。

クリップをストレッチ(伸縮)するには、 Altキーを押しながら開始位置/終了位置のトリミングコントロールをドラッグすると クリップの開始位置か終了位置のどちらかを他方の端を動かさずにストレッチできます。

クリップのピッチシフトを行うには、 付属のピッチシフト・フィルターを クリップ上か、そのトラック上に組み込んで使うことができます。

フェードイン/アウトをエディット全体に掛けるには?

(エディット画面右下の)マスターレベルメーターをクリックしてマスターレベルコントロールを選択します。 そのプロパティパネルでマスターフェードイン/アウト用の長さとシェイプを設定することができます。 マスターフェードは画面上部のタイムバーに直線や曲線で表示されます。

エディットのあまりに多くのフィルタを多用し過ぎて正常に再生できません。この場合、どうすればよいのでしょうか?

エディットに多くのフィルターを使いすぎ、CPUパワーが能力を超えて必要になったとき、 Tracktion は トラックフリージング(track freezing)という便利な機能があります。 この機能を使うと(いくつかの)トラックの内容を自動的に一つのWAVEファイルにまとめることが可能で、 後でフリーズの解除を行うとまた変更が可能になります。

エディットのパートをフリーズするには、 現在、編集作業をしていないトラックを選択し、トラックのプロパティで'freeze'ボタンをクリックします。 するとしばらくトラックの解析を行った後、トラックが縮小表示されて編集不可能な状態になります。 以前と同じように再生されるべきでしょうが、 このトラックのフィルターとソフトシンセの出力には少し違いがあり、 作成されたトラックは以前と少し異ってきれいに聞こえるかも知れません。

トラックのフリーズ状態を解除するには、そのトラックを選択して 'unfreeze(フリーズ解除)'ボタンをクリックするだけです。

どのように、そしていつ、エディットの保存をすべきでしょうか?

エディットはオープンしている間、定期的に自動保存されます (自動保存間隔は、セッティングスクリーンの'miscellaneous(その他)'セクションで変更できます)ので、 もし電源が落ちても最後に保存した状態まで復元可能です。 エディットを手動で保存するには、'save/revert'ボタンをクリック(あるいは Ctrl+S を押す) してください。

しかし、エディットを閉じる前に保存したいか確認されますので、 保存を選択すると前回手動で保存した時点以降の変更を有効にします。 もし変更を破棄するように選択すると(あるいは、編集中いつでも 'save/revert'ボタンをクリックして 'revert(復元)'を選択すると)、 エディットは前回手動で保存された状態に戻り、 途中自動保存された内容は破棄されます。

このシステムにおいては、エディットを開き、いい加減に操作しても 前回の状態を失うことなくすべての変更を無かったことにできるということですが、 さらに、その変更途中さえも規則的に自動保存されるという安心も得ることができるのです。

完成したエディットは、どのようにしてWAVEファイルに変更するのですか?

エディットスクリーンで'export(エクスポート)'ボタンをクリックし、 'create an audio file..'を選択すると、レンダリング(解析)オプションが表示されます。

このダイアログボックスでは次のようなオプションを指定できます: This dialogue box lets you change:

解析が完了したとき、作成されたオーディオファイルはプロジェクトに新しいクリップとして追加されるので、 プロジェクトスクリーンに戻り、プロジェクトの最初のアイテムを再生して下さい。

どうやってエディットの一部分をレンダリング(解析)するのか?

訳注:
Tracktionでいう「レンダリング」は一般のDAWの用語としては「バウンス」に近い意味の用語のようです。 つまり、元のオーディオデータからエフェクトを掛けた状態のオーディオファイルを作成し、差し替えることでCPU負荷を減らすことが出来るのです。
オーディオのエクスポート→インポートで差し替えるような手間は必要ありません。レンダリング前の状態のエディットを保管しておけば、レンダリング前の状態も残せます。
フリーズと似ていますが、フリーズしたトラックが一時的な領域に保存されるのに対し、レンダリングは(通常)プロジェクトフォルダに保存されます。

これを実行するのに最も融通の利く方法は、トラックとマークをつけた領域を選択して 普通にrendering(解析)すれば、 作成することができます。

もし、一つ、あるいはそれ以上のトラックを解析したバージョンと置き換えたければ、 トラックのプロパティの 'render track(トラックを解析)' ボタンをクリックすると そのトラックだけを作成することができます。

後で戻せるようにエディットのコピーを作るには?

プロジェクトスクリーンで、エディットを選択してプロパティウインドウの 'create a copy(コピーの作成)'ボタンを押します。

WAVEファイルへの単純なオペレーション(リサンプリング、ビット数の変換、リバース、他)はどうするのですか?

Tracktion はWAVEファイルに操作を加えるいくつか便利なビルトインの破壊的な(=取り消し不可能な)編集機能を持っています。

その機能を使うには、プロジェクトスクリーンを開き、リストからオーディオクリップを選択します。 そのプロパティパネルに 'edit audio file(オーディオファイルの編集)' ボタンがあります。 外部のWAVEエディタソフトを起動するオプションとともに、 'basic editing operations(基本的な編集操作)' オプションもあります。

この操作時のダイアログで、次のような操作を選択できます:

訳注−ここは現在の内容に合わせて説明を変更しました

これらはそれぞれに固有のオプションがあり すべて直接Waveファイルを変更するため取り消しが出来ず、 そのファイルを使用しているエディットすべてに影響を及ぼします。

フェーダーやフィルターのパラメータのオートメーションを行うには?

Tracktion はエディットを再生している間のフィルターのパラメータの動きを記録でき、 エディットに合わせて記録した動作を再現できます。 その動作は波形として見ることができますし、 手動でポイント(点)を追加や移動したり、編集することもできます。

それぞれのトラックは右側に小さな'A'ボタンがあり、 そのボタンを使ってオートメーションカーブを選択し、トラック上に表示することができます。 このボタンをクリックするとオートメーション可能なパラメータのリストが表示され、 あるいはボタンをオートメーションしたいフィルタ上にドラッグ&ドロップするとそのフィルタのパラメータを表示します。 このボタンをフィルターにドラッグするのと同様、プロパティパネルに現在そのフィルターが表示されていれば、 パラメータースライダー自身の上にドラッグすることもできます。 オートメーション可能なアイテムはその上にドラッグすると色が変わります。

トラック上にカーブが表示されているとき 線をクリックすると、カーブが選択されプロパティパネルにプロパティが表示されます。 カーブを手動で編集することもできます:

パラメータ値はそのポイント毎に一つ持っていますが、 カーソルを移動させるたびに、パラメータはカーブに追従して更新されます。 パラメータのオートメーションをしたくなければ、 カーブを選択して 'delete all points(全てのポイントを削除)'を選択して下さい。

再生しながらパラメータをライブレコーディングには、 画面右下(訳注:トランスポートコントロールにある『A●』)のオートメーションコントロールを使用します。 この'A'ボタンをクリックすると(キーボードショートカットも使えます)、 レコーディングの実行/停止が切り替えられます。 このボタンを右クリックすると他のオートメーションオプションの メニューが表示されます。

パラメータの動作をライブレコーディングするには次のような操作を行います:

  1. このコントロールを使ってオートメーション可能な状態にします (あるいはキーボードショートカットを使って下さい)。
  2. エディットの再生か録音を開始します。
  3. オートメーションしたいパラメータの変更を開始します。− パラメータの最初の動きがレコーディング開始の合図になり、 オートメーションコントロールが点滅し(訳注:原文を修正しました)、 オートメーション中であることを教えてくれます。
  4. 'パンチアウト'をしたければ、再生を停止するか、'punch-out'を使うか、 'punch-out-to-end'オプションを使います (それらはオートメーションコントロールメニューで設定できますが、 代わりにキーボードショートカットを使った方が簡単です)。

    'punch-out'を使うと、再生を停止しなくても 自動的に記録を停止し、新しく録音されたパラメータの動作を既にあるカーブと 併合し記録します。

    'punch-out-to-end' を使っても同様ですが、 存在するカーブに記録された動作を併合したとき、 パンチアウトされた地点以降のカーブデータを削除します − パンチアウトした地点に設定されていたパラメータの値を そのまま残します。

パンチアウトした後、録音したデータがカーブに(もし表示するようになっていれば)表示され、 手動で編集可能になります。

オートメーションカーブ情報はコピー/貼り付け可能です。 カーブ情報をクリップボードにコピーするには:

・・それから、それをカーブに貼り付けるには:

カーブを貼り付けるためのオプションがプロパティパネルにあり、 それを使えばイン/アウトマーカーの間にちょうどのサイズにストレッチすることもできます。

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ビルトイン・フィルターとシンセ

Tracktion にはビルトインフィルターの基本的なセットが付属しています。 プラグインフィルターと違い、とてもユーザーインターフェースの親和性が高く、 Tracktionのシステム上での動作が保証されています。

ボリュームとパン(Volume and pan)

他のノンリニア(訳注−テープを使わないもの)オーディオソフトウェアと異なり、 Tracktion は固定されたボリュームやパンコントロールをトラックに持たず、 フィルターとして取り扱います。 トラック出力時のこの方式の優位点は、 フィルターの前や後に自由にボリュームを移動できる点と 異なる位置に複数のボリュームを置くことすらできる点です。

ボリュームフィルターの中央の長方形のエリアでクリック&ドラッグすると フローティング・ボリュームコントロールがポップアップし、ドラッグするとレベルを上げたり下げたりできます。 垂直バー上でクリック&ドラッグするとパンを左右にドラッグできます。 これらの上にマウスを移動させると色が変わり、 クリックする際に何が起こるか、判り易くなっています。

ボリュームフィルターを他の場所に移動させるには、 ボリュームフィルターの端をクリック&ドラッグすると他のフィルターと同様に移動することができます。

レベルメーター(Level meters)

それぞれのトラックには固定というより、フィルターとして レベルメーターが配置されています。 このことは、レベルをモニターしたい場所に フィルターチェインの好きな場所に移動することができるということであり、 同じトラックに複数配置することもできますし、 また、必要なければ全部削除してしまうことすらできるのです。

レベルメーターをクリックすると、より正確なレベルのモニターができ、 大きなメータービューで右クリックすると、 モニター方法を選択することも可能です(PEAK、RMS、SUM、そして differnence)。

レベルメーターを通ったレベルがピークになれば、 メーターの上部に赤いマーカーが表示され、 メーター内部をクリックしてクリアされるまで残ります。

サンプラー(Sampler)

Tracktion にはベーシックなビルトインフィルターも付属しています。 豪華な機能的には何もありませんが、一つ大きな優位点は、 エディットのアーカイブを作成したとき、このサンプラーで使われていた すべてのサンプルも自動的に圧縮されることで、 普通のオーディオクリップと必要なデータが同じようにアーカイブ出力されることです。

サンプラーにサンプルを追加するには、 'add'ボタンをクリックする、 コピー&ペースト(貼り付け)をする、 あるいは Windowsのエクスプローラからオーディオファイルをドラッグ&ドロップする、 のいずれかの方法があります。

リスト上のサンプルの一つを選択すると、 MIDIノートの範囲の割り当ての変更、 ルートノートの変更、それにボリュームとパンが変更できます。 サンプルは、'ignore release(リリース無視)'モードに設定することもでき、 このモードでは一度再生を開始すると、 MIDIノートの長さは無視して最後まで再生されるようになります。 (訳注:ドラムなどは、途中でサンプルが切れるとおかしいので、 そのような場合に使う機能だと思います)

キーボードの下は簡単な波形表示ビューで、 サンプルに使われているファイルの一部分をトリミングすることができます。 終了位置を移動するには、波形フォームの開始位置か終了位置のどちらかを クリックしてドラッグします。

サンプリングのためにファイルの小節をより正確に選択する方法は、 エディットにちょうど必要な長さの普通のクリップをつくり、 そのクリップをサンプラーにコピー&ペースト(貼り付け)することです。

リバーブ(Reverb)

Tracktion にビルドインのリバーブは、オープンソースの Freeverb プラグインを基本にして、 いくらかのバグフィックスと異なるサンプルレート用の機能拡張を施したものです。

4バンドイコライザー(4-band Equaliser)

円をドラッグしてパラメーターを変更するとても簡単な4バンドイコライザーです。 2つの円はバンドパス・フィルターで、 一つはハイパスフィルター、もう一つはローパスフィルターです。 パラメーターをリセットするには、ウィンドウのトップよりも更に上に円をドラッグします。 全てのパラメータをリセットするには、'reset(リセット)'ボタンを押します。

イコライジングのパラメーターが有効でも無効でも、 'Phase invert(位相反転)' を使うと、出力信号を反転(逆相)させます。

コンプレッサー(Compressor)

とてもシンプルなコンプレッサーで、各パラメーターはあなたの予想通りのものです。

ディレイ(Delay)

エディットのテンポの倍数を元にディレイタイムの設定を行うことのできる シンプルなディレイです。

ピッチシフター(Pitch-shifter)

フェイズ・ボコーダー技術を使ったベーシックなピッチシフターです。

コーラス(Chorus)

すべて一般的なパラメータのシンプルなコーラスです。

フェイザー(Phaser)

フィードバックが可変の7オクターブフェイザーです。

ローパス/ハイパス・フィルター(Low/High-pass Filter)

ただのシンプルなローパス/ハイパスのカットオフフィルターで、 4バンドイコライザーまでは不要、という時に使ってください。

ReWire デバイス(ReWire devices)

Tracktion を ReWire ホストとして使用するには、 他のフィルターと同じように この'Rewire'フィルターをトラックにドロップしてください。 このフィルターのプロパティパネルには ReWireデバイス(例:Reason, Ableton(Live)、 他) を選択するオプションがあり、 そのデバイスのユーザーインターフェース(画面)を表示するためのボタンがあります (注意− すべてのデバイスがこのボタンに反応するわけではなく、 手動で起動する必要のあるアプリケーションもあります)。

ReWireデバイスを選択したらすぐに、 プロパティパネルでデバイスの入力と出力チャンネルを Tracktionフィルターの、どの入力と出力に接続するかを決定しなければなりません。 フィルターに送られてきた MIDIメッセージは選択されたMIDI バス/チャンネルに送られ、 デバイスで選択された 2つのReWireチャンネルの出力は、 フィルターの出力として使われます。

同じデバイスへの複数のReWireフィルターを複数のトラックに設置することができ、 それぞれ異なる出力チャンネルへ出力することができます。

ReWire を接続するときには、いくつか留意することがあります:

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オーディオデバイス(装置)

使用するオーディオデバイスを選択するには?

セッティング画面(画面上部の'settings'タブをクリックします)の'audio devices(オーディオデバイス)' カテゴリにすべての利用可能なオーディオデバイスのリストが表示されています。 そこで enable(有効)/disable(無効)の切替や、それらのデバイスのプロパティの調整が可能です。

そこには、3つのカテゴリ − DirectSound デバイス、ASIO デバイス、そして MIDI デバイスがあります。 リストに表示されたそれぞれのデバイスは 'active(動作中)' か 'disabled(使用不可)' のいずれかの記号があり、ボタンをクリックして切り替えることができます。

Tracktion では、ここで標準のオーディオ出力デバイスと、 (オプションで)標準の MIDI出力デバイスを設定します。 出力デバイスは画面の右側に 'wave default(音声標準)' か 'midi default(MIDI標準)'が表示されるので、 他に利用可能なデバイスがある場合は、あなたのシステムで最適なデバイスに設定してください。

標準デバイスは WAVEファイルのプレビュー再生、オーディオCDの再生、その他で使用され、 また、トラックの出力先を'default wave output(標準WAVE出力)'に設定されていると、 そのトラックのオーディオの出力先になります。

使用するサンプルレートとビット数の変更方法は?

デバイス画面で、リスト上のデバイスを選択するとクリックしてそれらを変更可能になります。 デバイスのプロパティパネルではサンプルレート、ビット数、その他、 デバイス固有のパラメータが表示されます(訳注−表示されないものもあります)。

レイテンシとは何ですか?また、それは再生実行にどう影響しますか?

オーディオ入力や出力デバイスのプロパティの一つはレイテンシ(に関するもの)です。 これはコンピュータがオーディオ信号を処理し、サウンドカードを通ってあなたの耳に届くまでに生ずる 最低の遅延時間のことです。

低いレイテンシのシステムは、 特にMIDI入力での生演奏でソフトシンセを演奏したとき、応答が素早いのですが、 コンピュータにとっては正確に処理するのは難しく、おかしくなってしまうのです。 サウンドカードにより、どの程度まで低いレイテンシで処理可能なのか、という制限が異なります。

レイテンシを試すには、デバイス画面でオーディオの入力/出力デバイスを選択し、 それらのレイテンシパラメータを調整し、 オーディオがスムーズに再生可能か試してみてください。 普通に使用する分には、まともに使える範囲内でなるべく小さな値に設定するのが 最も良い考えでしょう。

非常に小さなレイテンシで動作させるには、恐らく realtime priority(リアルタイム・プライオリティ) モードに 設定する必要があるでしょう。

リアルタイム・プライオリティ(realtime priority) モードは何をするのか?

このオプションは Tracktion を'リアルタイム' モードにします。 これはどういうことかというと、再生のためにPCの能力をより多く割り当てるということです。 とても小さなレンテンシで使用していると、これで大きな違いが出ますが、 Tracktion があまりに多くのCPUパワーを消費すると システムが重く(遅く)なり、マウスが反応しなくなったりします。

このオプションはセッティング画面の'audio devices'セクションにあります。

どうやれば録音したオーディオを再生するものと正確に同期させることができますか?

Tracktion は録音を再生と同期するように可能な限り試みますし、 ASIOデバイスは通常それが可能です。 しかし、多くの DirectSound Deriver では、正確さが数ミリ秒ほど異なるかもしれません。

もし、オーディオ入力デバイスがセッティング画面かエディット画面で選択されていると、 そのプロパティの一つに 'time adjust(タイム調整)'というプロパティがあり、 手動で同期の調整を行うことができます。 これは、新しい録音を行うときに他の音に対しての遅れを補うためずらすタイムの値です。 いくつかのテストオーディオ信号を再生し、 遅れを測定してこのセッティング値を自動的に計算するには、 'auto-detect(自動検出)'ボタンをクリックして画面の指示に従ってください。

新しく録音したファイルはどこにできるの?

デバイス画面(あるいはエディット画面)上でオーディオ入力デバイスが選択されているとき、 新しく作成されたファイルはそのプロパティで指定されたフォルダに作成されます。 このパラメータと特に指定しなければ、 デフォルトで現在オープンしているプロジェクトのあるフォルダになります。

これらのプロパティは新しく作成されるファイルのプレフィックス(前の部分)の指定なので、 更に次に作成されるファイルにも使われます。 (訳注−指定したファイル名+連番がファイル名になります) なので、必要があればこのプロパティで明示的に設定してください。

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その他

ディスクキャッシュサイズの設定

Tracktion は、オーディオデータのキャッシュメモリとしてディスク上に割り当てます。 セッティング画面の'miscellaneous(その他)' セクションにこのサイズを変更するオプションがあり、 さらに大きくすれば、よりディスクアクセスが有効になります (あなたのPCがこれを扱うために十分なメモリを持つ限り)。 多くの場合、自動設定された値で良いでしょう。

一時使用ディスクスペースについて

Tracktion は、サムネイルの保持、'フリーズ(凍結)'トラックのファイル、その他の中間ファイルとして、 一時的にディスクスペースを必要とします。 初期設定ではTracktionが起動された同一のフォルダに一時ディレクトリを作成しようと試みます。 もし異なるディスクやフォルダを使いたければ、 セッティング画面の'miscellaneous(その他)'セクションで変更できます。

VST プラグインの検索パス

設定画面には 'plugins(プラグイン)'セクションがあり、 Tracktionが VSTプラグインを検索するためのパスのリストがあります。 もし、それらに変更があったときは、"re-scan(再検索)"ボタンを押してください。 さらに、そこには無視するファイルのリストのセクションも持っています。 それにより、ディスクからプラグインの DLL を削除することなく、 不必要なプラグインを除外することができるのです。

ユーザー設定

様々な全体的な設定は 'user settings' で行います。 それらはユーザー設定のファイルとしてインポート(読み込み)やエクスポート(保存)もできます。 ユーザー設定には以下のような項目を含んでいます:

それらを .trksettings ファイルとしてインポートやエクスポートするには、 設定画面の'miscellaneous(その他)'のセクションのオプションから行います。

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